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サイト管理人たちのブログです。(小樽愛酒会のメンバーが、随時、綴ってゆく予定です。)

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とりあえず、ということで。

わか松のマスターに頼まれたものの、野暮用が重なり、《わか松ホームページ》の制作は遅れに遅れました。何とか、やっと、形にすることができて、ホッとしています。

 

小生が、わか松に初めて足を踏み入れてから、30年近くが過ぎました。その間、年に数回寄る程度になった時期もあったり、必ずしも「良き常連」ではありませんでした。最近の10年間くらいは、週に何度か顔を出すようになり、山口マスターと差し向かいで話し込むことも増えました。

 

酔っぱらいの常で、「やっぱり今どきは、インターネットとかスマホとかで検索してもらえるようにしなければ、だめだべさ」と話が盛り上がり、なぜか、安請け合いをしてしまい、今回に至っています。
調子に乗って飲み過ぎるのは、くれぐれも注意しなければならない、と反省しても遅すぎるのですが。

 

わか松は、小樽で唯一と言っても過言ではない『美味しい日本酒が、お値打ち価格で呑める』地酒専門の居酒屋です。ここにはあえて値段を書きませんが、あの初亀の《龜》を、こんな値段で呑める居酒屋を他には知りません。札幌で同じ物を同じ量飲むなら、電車賃をかけても「わか松」ならお釣りが来ます。

 

今、何度目かの〝日本酒ブーム〟だそうです。でも、流行に迎合しようとして、酷い酒になってしまった蔵もあります。本物は、それゆえに、何も変わらないものです。わか松も、「感動できる日本酒を呑んで欲しい」という思いは、少しも揺らぎません。

 

若い人に訊くと、「わか松って、何だか敷居が高いんだよね」とか「(単純に値段が)高そう」と言われます。でも、一度来てみればわかります。いい酒と、いい肴でフワッと酔うことの心地よさは、価格以上です。
きっと、思っているほど高くはありませんよ。敷居も、会計も。

 

どうか、わか松で、本物に出会えますように。                           (お)

 

 

 

 

 

 

2016年06月02日

泣き寝入りしか、ないのかな?

 先日、わか松で呑んでいたら、「北広島の飲食店が食べログに事実と違う内容を投稿されて損失を被ったとして、
店舗情報の削除を求めた裁判で、最高裁が飲食店の訴えを退けた」というニュースがテレビから流れた。
 〈社会的に相当性を有する口コミ投稿ならば営業上の損失が生じたとしても甘受すべき〉という、二審判決が確定
したらしい。いや、社会的に相当性を有するって、具体的にどういうこと?

 

 じっと画面を見ていた山口マスターが、「うちも、やられたんだよね」と話し出した。「2年くらい前なんだけど、その頃にはもう仕入れていなかった《石田屋》を呑んだって投稿で、3,000円も取られたって。置いてない酒を、どうやって吞むんだって話だよ。しかも、3,000円じゃ赤字だよ(笑)」
 ちょっとお酒が入っていたから、ゲラゲラ笑ってお仕舞いではあった。

 

 悪意のある投稿を防ぐ方法はない。その上、匿名で批判的なでまかせを垂れ流すというのは、実に卑怯だと思う。


 ここのところの不景気で、繁華街の人影はすっかりまばらになり、売り上げが厳しい店も多々ある。わか松だって最近7年くらいは、値段の張る純米大吟醸の仕入れを、極端に絞っているくらいだ。

 そんな現状の中で、何を言われても泣き寝入りせよ、という意味にもとれる判決は酷ではないか。
 見方を変えれば、「自分の感覚だけが正しい」と妄信している投稿魔に、お墨付きを与えたように感じる。禍根を遺すことにならなければよいが。

 
 地域とか、そこの常連にとって大切な店が、どこの馬の骨とも分からない奴におとしめられて良いはずがない。少なくとも、本当に駄目な店は自然に消えてゆく。長く続いている事実以上に、確かな情報などありはしない。


 言いたいことがあるなら、堂々と名乗ってやったらいい。後ろ暗いところがあるから、匿名の陰に隠れているのだろう。そんな匿名の記事を信じる方が、どうかしている。

 自分の勘や舌を信じられないから、あんな嘘っぱちだらけの怪しい情報を鵜呑みにするのだろうか。たとえ、失敗したとしても自分で経験しなくちゃ何にもならない。どんな酒も、呑んでみなくちゃ語れない。

 

 などと言っておきながら、このブログも匿名なんだけど。
 ただ、どうしてもどんな奴が書いているのか知りたければ、わか松に通っていれば、そのうち逢えます。
                                              (お)

 

2016年06月09日

今年も、やるの?

桜が散った頃から、知り合いに会う度に「今年も、日本酒の会を、やるの? いつやるの?」と訊かれ続けてきた。

今までは差し障りのない曖昧な答え方をしてきたが、やっと、「当然、今年もやるよ!」と言える目途がたった。

楽しみにしてくれる人たちの存在が嬉しいし、何より主催者側の自分たちが嬉しく待ち遠しい。

 

『第三回 蔵元と語らう小樽の会』開催決定!

 

詳細は、まだ未定の部分もあるけれど、一応、10月16日(日)午後5時から、小樽花嫁センター(小樽平安閣)

で開催することになった。

今回来樽してくれる蔵元は、《美丈夫》、《初亀》、《醴泉》、《雑賀》、《瀧自慢》の五蔵の予定だ。

 

また、今回から会費(チケット代)は、8,000円となる。さすがに、3年連続赤字では、存続の危機だからである。

それと、前回は会場の許容量に対して人数が多すぎたという反省に立って、チケットの発行枚数を110枚にとどめる

方針を確認した。前回より25枚程度少なくなる。去年参加できた人でも、今年はチケットが手に入らないこともあるだろう。

 

チケットの販売は、8月下旬からの予定だが、早い段階で完売になる可能性もある。

 

それにしても、去年の第二回は、ひどい酔っぱらいが続出だった。まあ、、それだけ、腹一杯呑める会ということでもあるのだが。振り返ると、事故や事件が起きなくて良かったと思う。

今年は、さらにパワーアップして酔っ払う参加者が増えそうで頭が痛い。何しろ、各テーブルには一升瓶が5本も載っているのだ。一人あたり、約五合の計算である。

 

来月、小樽愛酒会の会合で、詳細を詰めることになっているので、詳細が決まったら、この欄でもお知らせしたい。

同時に、「わか松」や協力店舗にポスター等を掲示するので、ご覧いただきたい。

 

まずは、予告編のみにて、失礼つかまつる。                            

 

 

 

 

 

 

2016年07月31日

闘い終えて、日が暮れて。

イベントを開催するのはとても楽しいのだが、終わるとものすごい疲労感に襲われる。虚脱感と言ってもいい。
同じ企画で3回目ともなれば、慣れも出てきて余裕はある。ただ、なぜか仕事量が増えている気がする。細かい点
まで気がついてしまうからかもしれない。

 

とりあえず『第三回蔵元と語らう小樽の会』は終わった。
チケット枚数を昨年より減らしたこともあって、発売から2週間もしないうちに完売という嬉しい悲鳴も上げた。
(当ブログに掲載するタイミングもないほどに、猛烈に売れた。)
伊勢鮨が会場内で鮨を握って提供したり、テーブルに残った酒をオークションしたりといった新しい内容も好評で、参加者からはお褒めの言葉をいただいたが、このままでいいのかという気持ちもある。


そもそも、この企画は、ブームで雑誌に取り上げられている軽薄な日本酒ではなく、本当に旨い日本酒を知って欲し
いという思いと、本物の日本酒を提供し続けている居酒屋が、ここにあることを知って貰いたいという思いで始めた
ことであった。
個人的には、酔えばいいだけの安酒と薄利多売で、既存の飲食店を低品質・低価格競争に巻き込む大手居酒屋に、物
申したい気持ちもあった。もちろん、そんなものは《蟷螂の斧(とうろうのおの)》である。


わか松のマスター曰く「これだけの酒を揃えていても、お客さんが来てくれなければ空しいだけだ」。その空しさを
自分たちの胸の痛みにしたいと思った。一度失ったら、二度と取り返せないものがあることなど、この古い町に住ん
でいる自分たちには、何度も経験のあることではなかったか。


『蔵元と語らう小樽の会』の出席者の、幸福そうな赤ら顔を見ながら、このうちの何人かでも、普通の暮らしの中の
普通の楽しみとして、わか松に足を運んでくれたらなぁと考えていた。この酒が、この値段でいいの? というくら
いの入手困難酒が、さりげなく置かれているのに。それが、どんなに有難いことであるか、知って欲しい。


何はともあれ、闘い終えて日が暮れて。
花園町に、提灯の明かりが灯り始めれば、フラフラと飲み屋の小路に紛れ込むだけの酔っぱらいの戯言ではある。
                                                 (お)

 

 

 

2016年11月21日

地元の人は、どこに?

 小樽の二月は、隣の政令指定都市・札幌の「雪まつり」と勝手に連動した、『おたる雪明りの路』というイベント
にたくさんの観光客が訪れて、つかの間の賑わいをみせる。

 また、ニセコなどにやってきたスキーヤーが、ちょっと足を伸ばして遊びに来る。
 いつもは、まるで火の消えたような夜の繁華街・花園が、ほんの少しだけ人通りが増えて賑やかさを取り戻す。他
県の方言や、英語・中国語・韓国語……などが、居酒屋やスナックのカウンターに飛び交う。
 もちろん、大抵は〝いちげんさん〟で、リピーターになることはほとんどない。その場限りの、一夜限りの、楽し
い乾杯で終わりだろう。まあ、それはそれでよいのだが。

 

 山口マスターの顔が、どうも浮かない。

 ご多分に漏れず、わが「わか松」にも市外からのお客さんが、ずいぶん来てくれるらしい。けっこう日本酒を勉強
してくる人もいて、マスターが〝通だねぇ〟と感心することもしばしばある。たまには、折角だからと、店に置いて
ある銘柄を「値段が高い方から出して」というお大尽もいるらしい。
 暇な日が多い昨今の状況で、店の売り上げ的には嬉しいのだけれど、いくら満席になっても地元の人が来ない(来
たとしても一人か二人)というのは、どうなんだろう、と。

 

 マスターは、元々、自分が見下していた三倍醸造の酒とは全く次元の違う、本物の日本酒を口にして「ああ、本当
の日本酒はこんなに美味いのか」と感動したことをきっかけに、地酒の店を始めようと決めたときく。その時、自分
が感動したように、生まれ育った小樽の人たちにも、本当の日本酒の味を教えたい・伝えたいと思ったそうだ。

 ゆえに、「商売をするなら札幌でだろう」という大方の声に逆らって、小樽で開店した。確かに、収益だけを考え
れば、札幌で起業するのが正解だったかも知れない。しかし、金儲けとは違うところに、事業の目的があってもよい
のではないか。

 その肝心の地元のお客が減り続けている。

 地酒の店を名乗る他店が逆立ちしても取り揃えられない、日本酒の質と量が「わか松」にはあるというのに、一体
どこに行ってしまったのか。みんな飲み過ぎて、向こうへ逝ってしまったのか。そうではあるまい。
 誤解を恐れずに言えば、この街の人たちは、『上質なものへの対価を惜しむ、下品な格好つけ』に堕落したのだろ
う。あるいは、単純に『貧すれば鈍する』を地でいったのか。ここ10年ほどの間に目撃した、飲み助たちの品格の
劣化は、実に目を覆うばかりだ。

 

 インターネットを検索して来店してくれる一回限りのお客さんも、とても大事だ。
 ただ、マスターが伝えたい日本酒の醍醐味は、一度や二度語ったくらいでは伝えきれない。少しお酒が入らないと
極端に口下手なマスターだから尚更に。
 蔵元に足を運び、見聞きして、交友を結んでそれを大切にし、自分の舌で確かめて納得した日本酒だけを勧める。
愚直だけれど、決して出し惜しみはしないマスターのことを、もっと店に来て知って欲しい。
 それは、単に、地元の人にだけではなく、「たまたま来ちゃった」だけの外来の人にも、切に願う。


 小樽の人と、余所から来た人が、同じテーブルを囲んで日本酒を語らう。それが日常になる。
 理想に過ぎるかも知れないが、それこそ「わか松」で見たい夢なのではないか。            (お)

 

 

 

 

 

2017年02月24日